不動産取引にはいろいろな法律が関わってきます。
その中のひとつが「文化財保護法」です。
読んで字のごとく、文化財を保護するための法律ですが、これと不動産が何故関係するのでしょうか?
文化財保護法では、文化財の所有者、関係者に対し、文化財の保存を求めます。
文化財として指定されたモノは、保存し維持しなければならないため、勝手に壊したり移設したりすることが出来ません。
ここで、不動産取引上問題となる可能性が高いのが「埋蔵文化財」です。
地中に文化財が埋まっている「可能性のある」土地のことです。
建物を建てようとしたら、遺跡が発掘されてしまった。
この場合、遺跡は土地所有者の物となり、文化財保護法により保存をしなければなりません。
つまり、予定通りの家が建てられない…
このような事にならないように、事前にその土地を調べておく必要があります。
といっても、取引の度に土地を掘って調査する訳にはいきません。
文化財を管理するのは、その地域の教育委員会です。
教育委員会に行くと、文化財一覧や埋蔵文化財包蔵地を確認することができます。
自治体によってはネット上で検索することも可能です。
横浜市:文化財ハマSite
川崎市:ガイドマップかわさき
では、その土地が埋蔵文化財包蔵地に指定されていた場合、どうすれば良いのでしょうか?
建物を建築する場合は、工事着手の60日前までに教育委員会へ届け出をします。
その後、教育委員会立会いで現地調査、試掘調査が行なわれます。
この調査によって、工事が埋蔵文化財に影響しないことが分かれば建築許可となります。
埋蔵物が発見された場合、文化財をどのように保存していくかなど、教育委員会と協議していきます。
※建物の形状を変える・地中に保護層を作る等
なお、この調査と協議の期間、工事を進めることが出来なくなりますので注意が必要です。
文化財保護法は不動産取引での「重要事項説明」のひとつです。
埋蔵文化財包蔵地だった場合は、しっかりと説明を受けるようにしましょう。